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中央ニュース

2016/07/04

非構造部材の耐震を 学校施設の防災機能

 文部科学省は、熊本地震を踏まえた学校施設の整備の方向性をまとめた。構造体の耐震化に加え、非構造部材の耐震性・健全性の確保、老朽化対策の早急な実施などがその内容。また、地域の防災計画での学校施設の位置付けなどについて、地域住民と連携した幅広い枠組みの中で検討を進めるべきとしている。
 整備の方向性は、「熊本地震の被害を踏まえた学校施設の整備に関する検討会」で示したもの。最大震度7の地震が2回続けて発生したことに加え、70日間で約1,800回の余震が続いたことによる被害状況を精査した上で、学校施設の安全性や防災機能の在り方をまとめている。
 構造体については、耐震化が完了していた学校施設で大きな被害が見られなかったことから、現行基準による耐震化の早期実施を進めるべきとした。体育館の鉄骨屋根の定着部や屋根構面は、重量物が落下しないような設計を求めた。
 非構造部材の耐震対策では、体育館などの吊り天井について触れ、地震の際、撤去を中心とした落下防止対策が効果を発揮したことを指摘。撤去が困難な場合には、補強や撤去後の再設置、ネットの設置などに取り組むべきとした。
 また、今回の地震では古い構法であったり、経年劣化が進んだ施設の被害が顕著だったことから、老朽化対策の早急な実施の必要性を訴えている。
 この他、災害時の避難所として機能させるため、防災担当部局や教育委員会、地域住民と連携しつつ、地域防災計画での位置付けや、災害種類(地震、洪水、津波など)ごとに求められる施設機能を明確化すべきとした。
 検討会では、これまでの議論を踏まえ、7月中に検討成果の中間まとめを示す方針だ。

提供:建通新聞社