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2016/06/24

連載「測る、描く、守る」 第1回・「地理空間情報」をご存知?

 みなさんは「地理空間情報」という言葉をご存知でしょうか。

 「地理」や「空間」といった単語はいろいろな場面でよく使われていますが、地理空間情報という言葉は聞きなれないかもしれません。実はみなさんにとっても、とても身近で、暮らしに欠かすことのできない情報なのです。世の中にある情報の約8割を占める、ともいわれています。

 地理空間情報は、簡単に言えば「場所や位置に関連する情報」です。みなさんの仕事や生活の中で、さまざまな場面で使われています。例えば、「国道○号XXポスト」「○○駅X番出口」など私たちが頻繁に耳にする言葉や、場所の情報という意味で地図も地理空間情報の一種です。紙の地図しか使えなかった時代には見たいところを探すのもひと苦労でしたが、今ではパソコンやスマホで知りたい場所を検索したり、その周辺の情報を調べたりすることが簡単にできるようになりました。

 また、地理空間情報は、場所や位置を探したり調べたりするのに便利なだけでなく、異なる情報を重ね合せることで、新たな情報を得ることでも力を発揮します。例えば、自分の家が記載されている地図に、高度経済成長期前の地図や航空写真を重ねてみると、自分の家が建っている場所が、昔は沼や池、水田だったなどということも分かります。今の地図では分からないリスクや自分の土地の特徴、いわば「土地のルーツ」を知ることができます。東日本大震災では、液状化の発生場所と土地の分類を表した地図を重ね合わせることで、地盤の弱い地域を中心に、数多くの家屋が液状化の被害に遭ったことが分かりました。

異なる情報を傘ね合わせることで、新たな情報を得ることも

 このように、地図をはじめとした地理空間情報の活用が今後のわが国の発展のため重要であることへの理解が深まったことを受けて、2007年には「地理空間情報活用推進基本法」が制定されました。この法律では、安心して豊かな生活を営むことができる経済社会を実現するために、政府だけではなく、地方公共団体、大学や研究機関、さらには民間企業も一体となって、地理空間情報を業務や生活に活かしていくことを求めているのです。

 このコラムでは、国土を「はかる、えがく、まもる」活動を通じて得られる地理空間情報が、国土管理に必要不可欠な情報であり、建設業に携わる皆さまの業務とも深く関係したものであることを説明していきます。(国土地理院)

提供:建通新聞社