国土交通省は、建設業許可の更新時などに行っている社会保険未加入業者への加入指導の結果(3月末時点)をまとめた。2015年度下半期(15年9月〜16年3月)に加入指導を受け、新たに社会保険に加入したのは2915者で、加入指導が始まった12年11月以降の累計では1万9,394者となった。加入指導に従わず、社会保険等担当部局に通報された許可業者は4,463者いた。
国交省と都道府県の建設業許可部局では、12年11月から建設業許可・更新の申請、経営事項審査の申請、立入検査の際に加入状況を確認し、未加入業者に加入指導を行っている。2回にわたる指導に従わない場合は、厚生労働省の社会保険等担当部局に通報することにしている。
15年度下半期の申請件数は5万5,816件で、このうち4万9,765件が既に社会保険に加入し、6,051者が加入指導を受けた。建設業許可部局の指導を受け、社会保険に加入した業者が2,915者いる一方で、社会保険等担当部局に通報された業者が4,463者いた。
許可更新時などに既に社会保険に加入していた件数が全申請件数に占める割合は89.2%で、国交省が加入指導状況の公表を始めた14年上半期と比べ、6.5ポイント伸びた。建設業許可部局の加入指導や公共工事での未加入企業の排除の動きが浸透し、許可更新に備えて社会保険に加入する企業が増えた。
12年11月に加入指導が始まってからの累計では、申請件数は42万9,239、加入指導によって新たに加入した許可業者数は1万9,394者いたが、社会保険等担当部局に通報された許可業者数も2万5,784者に上っている。
国交省は、17年度までに許可業者の社会保険加入率を100%とする目標を達成するため、加入指導の前倒しも行う。昨年11月には、未加入の許可業者に事前の加入指導通知を送付しており、目標の期限を迎える17年4月までに未加入の全許可業者を社会保険担当部局に通報する。
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建通新聞社