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2016/06/17

水路1,500キロメートルを更新 新土地改良長期計画

 農林水産省は、新たな土地改良長期計画案(2016〜20年度)を示した。「老朽化や災害リスクに対応した農業水利施設の戦略的な保全管理と機能強化」などの政策目標を設定し、主な施策の事業量を明記した内容。具体的には、更新などに着手する基幹的農業水利施設として水路1,500キロメートル・機場など約210カ所、畑地かんがい施設の整備約2.5万ヘクタールなどを盛っている。計画は8月以降に閣議決定する見通し。
 老朽化や災害リスクへの対応で盛った事業量としては、更新に着手する基幹的農業水利施設の他、各種防災事業の実施(約2,400地区)、機能診断を実施する基幹的農業水利施設(水路約0.9万キロメートル、機場など約2,200カ所)、耐震照査を行う重要度の高い国営造成施設(約110カ所)などがある。これらの施策を通じ、湛水(たんすい)被害への対応や施設の耐震化を向上させる方針だ。
 農業の担い手の体質強化に向けては、生産コストの大幅削減を進める。このため、水田の大区画化(約8.3万ヘクタール)や、畑の区画整理・排水改良(約3.1万ヘクタール)、畑地かんがい施設の整備(約2.5万ヘクタール)などに取り組む。大区画化については、生産コストの4割減が期待できるという。
 計画案では再生可能エネルギーの導入についても触れている。経済的で効率的な小水力など発電施設の整備地区を約120地区とし、かんがい排水に使用する電力量の3割以上を小水力発電などでまかなうことにした。また、農業集落排水汚泥の再生利用を約300地区で行うとしている。
 この他の主な事業量としては、機能保全計画を策定する農道橋(約3,100カ所)・農道トンネル(約200カ所)、ハザードマップなどソフト対策を実施する防災重点ため池(約5,000カ所)などが盛り込まれた。
 計画案は食料・農業・農村政策審議会の農業農村振興整備部会で示された。8月に開催される次回部会での答申を経て、閣議決定する。

提供:建通新聞社