設計変更の考え方や手続の流れを明示する設計変更ガイドラインを策定している都道府県が43団体(5月時点)に上ることが、国土交通省の調べで分かった。設計変更のノウハウが不足している市町村を支援する目的で、説明会・研修を開いている都道府県も38団体ある。ただ、同じ調査では、ガイドラインを策定していても、技術職員不足を理由に現場レベルで設計変更が円滑に進んでいないことを課題に挙げる都道府県もあった。
設計変更ガイドラインは、設計変更の考え方や手続の流れ、設計変更が可能なケース、不可能なケースなどを明示したもの。直轄工事では、2008年度までに全地方整備局で策定。15年度には、改正品確法の基本理念に盛り込まれた「受発注者が対等の立場」にあることを明記するなど、全地整がガイドラインを改定した。
直轄工事のこうした動きを受け、都道府県でも全体の9割を超える43団体で設計変更ガイドラインを策定済み。未策定の4団体も策定に向けた作業を進めているという。
ただ、同じ調査では「事業量に見合う技術職員がいないため、設計変更に充てる時間が足りない」「設計変更ガイドラインを現場の担当者がうまく活用できていない」「受発注者に設計変更ガイドラインが周知されておらず、変更契約をめぐるトラブルが見受けられる」といった課題を挙げる都道府県もあった。
一方で、策定した設計変更ガイドラインを円滑に活用するため、監督職員に対する研修や業界団体向けの説明会を開いたり、設計変更に関する相談・苦情を受け付ける窓口を設けるなど、ガイドラインを浸透させる対策を講じている都道府県もあるという。
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建通新聞社