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2016/06/08

下請け次数制限 4府県が実施

 国土交通省が行ったアンケート調査で、入札段階で下請け次数を制限している都道府県が、福井県、京都府、鳥取県、新潟県の4府県あることが分かった。一部の工事で2次下請け、3次下請けまでに次数を制限することを求めている。また、長崎県では、下請け次数の制限を誓約した元請けを総合評価方式で加点評価。京都府は下請け次数の制限に加え、自社施工比率の高い元請けを総合評価で加点する措置も講じている。
 国交省は、建設業の重層下請構造が工事内容の専門化・分業化を図る点で合理的な側面がある反面、施工管理や品質面などに弊害が及ぶ懸念もあるとして、中央建設業審議会の基本問題小委員会で重層下請構造の改善策を議論している。
 小委員会では、6月末までに、資材を販売する代理店など自ら施工管理を行わない企業を施工体制から排除するため、一括下請負の判断基準見直し、主任技術者の専任配置の徹底など、当面の対策を打ち出す。
 一方、都道府県の中には、入札契約段階で下請け次数の制限に取り組む動きも一部で見られる。国交省が行ったアンケート調査によると、福井県、京都府、鳥取県では、一部の工事で建築工事を3次下請け、土木工事を2次下請けまでとする次数制限を実施。
 新潟県は、予定価格250万〜7,000万円の土木工事から選定する「地域保全工事」で▽下請け次数を2次以下▽管内に本店・支店のある下請けと契約▽適正な下請け契約締結▽技能労働者の労働条件の改善―などの条件を満たすよう入札参加者に求めている。これら4府県のほか、4団体も次数制限を行う方向で検討しているという。
 次数制限を総合評価の加点対象としているのは、長崎県と京都府。長崎県は、元請けが建築工事で3次以下、土木工事で2次以下とすることを誓約した場合に加点。京都府は、技能労働者の直用化を促すため、元請けの自社施工比率を総合評価の評価項目としている。

提供:建通新聞社