国土交通省と都道府県・政令市でつくる「全国営繕主管課長会議」が行ったアンケート調査で、営繕の技術職員がゼロと回答した市町村(政令市除く)が全体の27.9%に上っていたことが明らかになった。営繕の技術職員が1人の市町村は11.6%、2〜4人が31.4%となっており、技術職員が4人以下の市町村が全体の7割を超えたことも分かった。同会議では、発注関係事務を補完する発注者支援業務の活用を促すなど、体制が脆弱(ぜいじゃく)な市町村への支援を充実させる。
公共工事の発注者責任を明確にした品確法の本格施行に合わせ、2015年度に全国の市町村を対象に調査、1,425市町村が回答した。
調査結果によると、市町村の営繕関係部局に所属する技術職員数は平均5.3人で、建築職3.8人、電気職0.8人、機械職0.6人の内訳。営繕の技術職員数は、2〜4人と回答した447市町村(31.4%)に次ぎ、ゼロと回答した市町村が398市町村(27.8%)と多かった。人口の少ない市町村ほど職員数が少なくなる傾向が強い。
市町村だけでは対応が難しい事務を尋ねる設問(複数回答あり)では「適切な予算の確保」が61%と最も多いが、品確法の発注者責務に位置付けられた「工事や設計等の監督・検査」が49%、「適切な図面の作成、施工条件の明示」が43%、「設計変更への適切な対応」が39%と、事業のマネジメント全体に不安を感じている市町村が多い結果も出た。
国・都道府県に望む支援策としては「基準、要領などのノウハウの共有」と回答する市町村が70%を占め、「研修の開催、講師の派遣」の42%、「相談窓口の設置」の34%が続いた。
全国営繕主管課長会議では、今回の調査結果を踏まえ、まず、07年に策定した「発注者支援業務事例集」の内容を改定し、各県の建設技術センターが担うことができる発注者支援業務の内容を更新した。今後も、会議の事務局である国交省を中心に、市町村への支援策の充実を検討する。
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建通新聞社