国土交通省は5月31日、東亜建設工業が施工した地盤改良工事で施工不良と虚偽報告が行われた問題で、修補計画や再発防止策を検討する有識者委員会(委員長・大森文彦東洋大学教授)の初会合を開いた。委員会では「工法」「施工」「監督・検査」の三つの視点で不正が行われた原因を究明し、再発防止策を提言する。7月末までに中間報告をまとめる。
初会合に出席した石井啓一国交相は、この問題ついて「国民の信頼を裏切るものであり、決して許されない」と述べた上で「国民の懸念を払拭(ふっしょく)するには早急に原因を究明し、再発防止を実行に移さなくてはならない」と委員に求めた。
東亜建設工業は、同社のバルーングラウト工法を採用した空港滑走路の地盤改良工事5件で施工不良と虚偽報告、港湾の地盤改良工事1件で虚偽報告を行っていた。
初会合で国交省は、施工不良が判明した工事について、同社が提出する修補計画などとともに、不正を見抜くことができなかった発注者側の監督・検査の在り方についても検証すると報告。また、同社が施工不良を確認できなかったと報告した薬液注入工事について、チェックボーリングを行って施工不良の有無を再確認する。
チェックボーリングの費用は東亜建設工業が負担するが、国交省がボーリング調査会社を選定し、同社の関与を可能な限り排除する。調査を実施する際にも同省の職員が立ち会い、調査内容を確認する。
提供/建通新聞社