国土交通省が行った都道府県調査(5月1日時点)によると、中央公共工事契約制度運用連絡協議会(中央公契連)の低入札価格調査基準モデル(中央公契連モデル)改正を受け、都道府県のうち、低入札価格調査基準価格を34団体、最低制限価格を30団体が引き上げたことが分かった。モデル改正は、現場管理費の算入率を90%に見直したもので、3月のモデル改正から1カ月余りで、調査基準価格を7割、最低制限価格を6割の都道府県が算定式を見直したことになる。
国交省の直轄工事では、4月1日から調査基準価格を見直し、現場管理費の算入率を80%から90%に引き上げた。3月末までは、元請けの現場代理人や監理技術者(主任技術者)の2人分の費用を計上していたが、工事の品質を確保するため、元請けの全ての技術者の費用を計上する形へと改めた。基準の見直しで、調査基準価格の平均値は約2ポイント上昇し、予定価格の89%台になった。
これを受け、中央公契連も調査基準モデルを改正。国交省は総務省と連名で、全国の地方自治体にこのモデルに準じた調査基準価格と最低制限価格を設定するよう要請していた。
国交省の調べによると、モデル改正を受けて最低制限価格の算定方法を見直した都道府県は30団体で、内訳は、中央公契連モデル以上の「独自モデル」を設定したのが23団体、中央公契連モデルと同じ算定方法に見直した都道府県が7団体となる。調査基準価格は独自モデルが21団体、中央公契連が13団体の合計34団体が算定方法を見直した。
調査は、5月1日時点で回答を求めているため、その後算定方法の見直しを決めた都道府県もある。例えば、東京都は、6月1日以降に入札公告する工事について、調査基準価格と最低制限価格の現場管理費を80%から90%に引き上げる。
調査基準価格等の対応(都道府県一覧)提供/建通新聞社