国土交通省の調べで、2015年度(16年3月末時点)の建設業許可業者数が前年度比1・1%減の46万7635者となったことが分かった。前年度からは微減となったものの、過去10年のスパンでは減少幅の縮小が顕著に現れており「この傾向が続くとすれば、業者数の減少に歯止めが掛かるのではないか」(土地・建設産業局建設業課)との見方もある。新規許可も13%増の1万9156者と2年連続で増加した。
建設業許可業者数は、建設投資の減少に伴い、1999年度の60万0980者をピークに減少傾向が続いている。2015年度の許可業者数は1999年度と比べると、22・2%減少している。
資本金階層別にピーク時と比較すると、個人の許可業者が46・3%減と減少幅が最も大きく、資本金1000万円以上5000万円未満の26・6%減が次いで大きい。一方、2005年に新会社法で有限会社と株式会社の最低資本金制度が撤廃されたため、資本金200万円未満の業者数は約16倍に増えた。
許可業者数は、1994年に許可の有効期間が3年から5年に延長されたことから、年度によって更新業者数に大きな差が生じており、これが失効件数の増加に大きく影響する。15年度は許可の更新期を迎える業者が多い時期に当たるが、業者数の減少幅は、同じく更新期限を迎える業者が多かった5年前の約3分の1、10年前の約4分の1に縮小している。
廃業した業者数は2万4442者で66・5%増加したが、これは前年度に更新期限を迎える業者数が少なかったことが要因。一方、新規許可は13%増の1万9156者で、1999年度以降で最も高い伸び率となった。
業種別で前年度から許可業者が増えたのは20業種で、塗装の1507業者増(2・8%増)、内装仕上げの1248者増(1・8%増)、鋼構造物の1226者増(1・7%増)が上位3業種。許可業者数が減少した業種では、建築の4275者減(2・6%減)が最も多く、土木の1681者減(1・3%減)、造園の538者減(2%減)が続いている。
提供/建通新聞社