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2016/05/25

政府 2016年度版国土強靱化行動計画を決定

 政府の国土強靱(きょうじん)化推進本部(本部長・安倍晋三首相)は24日、「国土強靱化アクションプラン2016」を決定した。切迫する巨大地震への備えとして、南海トラフ地震や首都直下地震の対策地域における全ての地方公共団体に業務継続計画の策定を求めるなど、六つの重要業績指標(KPI)を追加している。水災害への対応では、危機管理型ハード対策を講ずべき区間延長などを明記した。
 アクションプランは毎年度策定するもので、個別施策の進捗(しんちょく)に応じて内容を更新する。16年度版は、関東・東北豪雨や口永良部島新岳の爆発的噴火など、15年度発生の災害を踏まえた対策を充実。また、取り組みの進捗管理を徹底するためにKPIの追加・見直しなどを行った。
 KPIの追加6項目のうち、地方公共団体による業務継続計画の策定率は、南海トラフ地震対策推進地域で23年度まで、首都直下地震緊急対策区域で24年度までに100%を目指すことにしている。
 水災害に備えた危機管理型ハード対策は、決壊までの時間を少しでも引き延ばす堤防構造を構築するのが狙い。国管理の約1800kmで対策を講じる。堤防の嵩上げは、国管理の約1200kmが対象となる。目標年度はいずれも20年度。
 災害の発生・対応を踏まえて追加したKPIとしてはこの他、国管理河川におけるタイムライン(防災行動計画)の策定がある。20年度までに730市区町村を対象とする方針だ。要配慮者利用施設や防災拠点の保全による土砂災害対策実施率は、約41%に設定した(目標20年度)。
 また、「橋梁の耐震補強完了率」を「緊急輸送道路上の橋梁の耐震化率」(20年度までに81%)へ、「航路標識の自立型電源導入率」を「航路標識のLED灯器の耐波浪整備率」(20年度まで100%)に改めるなど、進捗状況に応じて指標を見直した。
 なお、政府では、市区町村による強靱化への取り組みを促すため、「国土強靱化地域計画策定ガイドライン」を改定している。16年度版アクションプランと合わせ、内容を周知するための説明会を7月以降に開く考えだ。

提供:建通新聞社