政府のPFI推進会議(会長・安倍晋三首相)は、PPP・PFI推進アクションプランを改定した。2013〜22年度の事業規模目標をこれまでの最大12兆円から21兆円に拡大した他、16〜18年度の重点分野として文教施設と公営住宅を追加した。また、人口20万人以上の地方公共団体での収益型事業や公的不動産利活用事業の実施を盛るなど、地方での事例増加を目指す内容となっている。
これまでに行われてきたPPP・PFI事業の実績を踏まえた今回の改定のポイントは、▽新たな事業規模目標の設定▽重点分野の追加▽時間軸の設定と担当府省の明確化―の三つ。このうち、事業規模目標はコンセッション事業7兆円、収益型事業5兆円、公的不動産利活用事業4兆円、その他の事業5兆円の内訳とした。
公共施設の所有権を発注者に残したまま、民間事業者に運営権を付与する、コンセッション事業の具体化に向けては、3年間(16〜18年度)の集中強化期間と重点分野を設定。
新たな重点分野の一つとして、公営住宅について、国土交通省を中心に、収益型事業や公的不動産利活用事業を含めて6件の具体化を目指す。建て替えや集約化に際し、余剰地を活用した収益化を図ることにしている。文教施設(スポーツ施設、社会教育施設、文化施設)は3件を目標とし、文部科学省が地方公共団体の支援などを行っていく。
収益型事業は、収益施設の併設・活用など事業収入で施設の整備・運営費用を回収するもの。人口20万人以上の地方公共団体で、将来的にコンセッション事業に発展できる案件の実施を目指す。
公的不動産の利活用事業も同じく、人口20万人以上の地方公共団体を対象とし、平均2件程度の実施を目指すことにしている。
これらの事業を円滑に行うため、それぞれの地方公共団体がPPP・PFI手法の導入検討ルール「優先的検討規程」を16年度末までに策定することになる。
また、18年度末までに全国で47以上の地域プラットフォームを形成し、民間事業者や地方公共団体、大学、金融機関などが新たな案件づくりのための協議を行うこととした。
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建通新聞社