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中央ニュース

2016/05/20

直轄工事でWLB推進 快適トイレを原則化

 国土交通省は、直轄工事の現場でワーク・ライフ・バランス(WLB)を推進する。女性も使いやすい現場の仮設トイレである「快適トイレ」の標準仕様を夏までに決め、原則として全現場に導入。政府調達協定(WTO)の対象工事で「えるぼし認定企業」や「くるみん認定企業」など、女性が活躍できる環境を整えた企業を優遇する措置も始める。2016年度から週休2日のモデル工事の試行を倍増させ、現場の就業環境の改善にも取り組む。
 政府の「すべての女性が輝く社会づくり本部」が3月に決定した「女性活躍の推進に向けた公共調達及び補助金に関する取組指針」に基づき、直轄工事の現場でWLBを推進する。
 洋式・防臭対策・施錠などの機能を備えた快適トイレは、15年度に271件の現場で試行的に設置した。快適トイレを設置した経費は、実費精算で発注者である国交省が負担している。国交省はこれまでの実績を踏まえ、快適トイレの標準仕様を今夏に決定した上で、原則として全ての工事にこの仕様を満たすトイレの設置を求める。
 WTO対象工事では、WLB関連の認定を受けた企業を総合評価方式で加点する。対象は▽くるみん認定▽えるぼし認定▽ユースエール認定―を受けた企業。まず、これらの認定の対象となっていない外国籍企業の評価方法などを固め、16年度からWTO対象の一般土木・建築・港湾土木のAランク工事の一部で試行する。
 18年度からは全ての一般土木・建築・港湾土木のAランク工事を対象に、段階的選抜方式の1次審査で加点評価を与える。
 週休2日モデル工事は、総合評価で加点措置を講じる「入札段階評価タイプ」、受発注者で工程を調整する「綿密工程調整タイプ」、休日取得率などに応じて工事成績を加点する「工事成績評価タイプ」など、14年度に6件、15年度に56件の工事で試行した。16年度は、この件数を倍増させ、100件以上の工事で試行する方針だ。
 このほか、総合評価で配置予定技術者の過去の実績を評価する際、出産・育児で休業していた期間を除くことで、出産・育児休暇を取得することが不利にならないような評価方法を整える。検査書類などを簡素化し、長時間労働の改善にも取り組む。

提供:建通新聞社