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2016/05/12

前払金 事務処理を迅速化

 国土交通省は、前払金保証の事務処理迅速化と書類の簡素化を図るよう、北海道・東日本・西日本建設業保証3社に要請した。政府は、2016年度予算の8割を9月末までに契約する早期執行の目標を打ち出している。公共工事の早期執行による経済効果を最大限に発揮させるため、前払金の使途監査を原則3日以内で処理することや、元請けが提出する使途内訳明細書の添付書類を簡素化することを求めた。
 10日、土地・建設産業局建設業課長名で保証3社の取締役社長に文書で要請した。建設業団体105団体に対しても、同じ文書を参考送付した。政府は16年度予算について、9月末までに8割
の契約を結ぶ過去最大規模の早期執行を目指しており、公共工事の前払金が労働者や下請け企業に早期に行き渡ることで、経済効果を高める狙いがある。
 前払金は、公共工事標準請負約款で、下請代金、材料費、労務費などの支払いに限定すると定められているため、保証会社は元請けに前払金の使途を明示する書類の提出を求め、使途監査を行う。国交省はこれまで、使途監査の処理期間を明示することはなかったが、今回の要請で初めて「原則3日以内」とすることを求めた。経営状況や過去の前払金の使用実態を踏まえ、慎重な審査を行う必要がある元請けに対しては「原則7日以内」の処理を徹底させる。
 さらに、元請けが使途監査のために提出する「前払金使途内訳明細書」については、支払い先を確認する▽下請負届▽下請契約書▽施工体制台帳▽施工体系図―などの添付を求めているが、元請けの負担軽減を図るため、施工体系図のみを添付することにする。
 今回の措置によって、元請けが書類を提出してから最短3日で下請け・資材業者などに前払金が支払われるようになる。
 前払金をめぐっては、4月の経済財政諮問会議で、民間議員から早期執行の経済効果を高められるよう、資材費や労務費などに限られている使用範囲を拡大することが求められた。国交省は現在、使用範囲を拡大する方向で、財務省と協議を進めている。
提供/建通新聞社