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2016/05/11

債務負担の活用 市区町村は17・1%

 施工時期を平準化するために債務負担行為を活用している市区町村(政令市除く)が、全体の17・1%にとどまっていることが国土交通省などの入札契約適正化法に基づく実施状況調査(2015年3月31日時点)で明らかになった。施工時期の平準化に効果がある余裕期間の設定は18・2%、繰越し制度の活用は35%の市区町村しか実施していない。
 公共工事は4〜6月の工事量が少なく、月単位の出来高工事量の最大値と最小値は約1・8倍と偏っている。国交省は、生産性の向上や技能労働者の処遇改善を図るため、債務負担行為の活用、余裕期間の設定、繰越し制度の活用などにより、施工時期の平準化を図りたい考え。
 年間の工事量の差は、国・都道府県よりも市区町村の発注工事で大きい。市区町村の発注工事には小規模なものが多く、年度末までに工事を終えようという意識が強いためだ。このため、国交省は今回の実施状況調査で、新たに施工時期の平準化に関する設問を設け、市区町村の現状を把握することにした。
 調査結果を見ると、施工時期を平準化するために債務負担行為を活用している発注機関は、国が12機関(63・2%)、都道府県が27団体(57・4%)、政令市が10団体(50%)といずれも半数を超えたのに対し、市区町村は294団体(17・1%)と取り組みの遅れが顕著に出た。
 一方、工事着手時期の選択を柔軟にする余裕期間については、国が10機関(52・6%)と半数を超えたものの、都道府県14団体(29・8%)、政令市2団体(10%)、市区町村314団体(18・2%)と、調査時点では自治体に浸透するまでに至っていない。
 繰越し制度は、国12機関(63・2%)、都道府県36団体(76・6%)、政令市12団体(60%)が活用している。一方、市区町村は602団体(36・4%)と全体の4割に満たない結果が出ている。

提供/建通新聞社