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中央ニュース

2016/05/11

段階選抜本格運用 総合評価ガイドライン改正

国土交通省は、直轄工事における総合評価方式の運用ガイドラインを改正した。品確法改正を踏まえ、地域的・政策的なニーズに対し、各地方整備局などが柔軟に総合評価方式を運用できるようにした。品質確保の観点から「手持ち工事量」が少ない競争参加者に高い評価を与えられるようにした他、これまで試行していた「段階的選抜方式」を本格運用に移行し、適用工事の拡大につなげる。また、配置予定技術者の評価期間を出産・育児に伴う休業期間に考慮して設定することも求める。
 品確法に盛り込まれた担い手の中長期的な確保・育成、多様な入札契約方式の選択・活用などの基本理念を反映させるため、3年ぶりにガイドラインを改正した。改正したガイドラインは、各地方整備局などに通知しており、各地整などはこの改正内容を踏まえ、評価項目などを設定する。
 手持ち工事量は、改正前のガイドラインでも参加要件に設定することは認めていたが、総合評価の評価項目に設定することはできなかった。急激に手持ち工事量が多くなった企業は、企業として現場へのバックアップ体制の質が落ち、品質が低下する傾向があるとして、過去の受注件数と比べ、入札時点での手持ち工事量が少ない企業を高く評価することを認める。
 同種工事の実績や簡易な技術提案による1次審査、詳細な技術提案とヒアリングによる2次審査で落札者を選ぶ段階的選抜方式は、これまでの試行の位置付けから本格運用へと移行させる。
 技術提案の作成・審査に要する発注者と競争参加者の負担も軽減。過去の試行における落札者の技術評価結果から、1次審査の通過者数を絞り込む基準を設定できるようにする。その際、落札者が偏ることにも配慮し、一定の技術水準を満たした参加者が対象外とならないよう、施工実績の要件をより詳細に求める。
 男女問わず働きやすい環境を整備する目的で、配置予定技術者が出産・育児で休業していた期間を考慮し、過去の実績の評価期間を設定する。これまでは、休業期間も評価対象期間に含まれており、出産・育児休業をとった技術者が不利になってしまっていたが、休業期間に相当する期間を、過去にさかのぼって評価対象期間に追加することで、その他の技術者と同等の評価を受けられるようにする。
 この他、表彰実績に対する評価で「企業で過去2年間、配置予定技術者で過去4年間」としていた対象期間の明記を避け、各地整などの裁量で表彰実績に対する加点評価を行うことができるようにした。

提供/建通新聞社