国土交通省は9日、ICT技術の全面活用をテーマに産学官が意見交換する「ICT導入協議会」を開き、i−Constructionを発注者、施工者、土木コンサルタント、測量企業に浸透させるための研修計画を報告した。施工者向けでは、日本建設機械施工協会(JCMA)が検討している統一カリキュラムを活用し、ICT土工の室内実習・実地研修などを全国で開く方針を示している。
国交省は、3月末にICT土工に対応した15の基準をまとめた。4月以降に発注する直轄事業では、予定価格3億円以上の土工を含む工事でICT活用を標準化するなど、ICT活用工事の実施方針も決めている。
i−Constructionの本格実施に伴い、同省はICT土工に対応できる技術者・技能者の拡大にも本腰を入れる。建設生産プロセスの各工程で、研修計画を検討しており、すでに地方整備局単位で国交省の監督職員、施工者、設計コンサルタント、測量企業向けの技術講習会や現場見学会なども計画されている。
9日の協議会では、施工者や測量企業が参加できる研修の開催方針を報告。具体的には、3次元データによる出来形管理を行うための座学形式の講義に加え、3次元データや出来形管理資料を作成するための実習、写真測量やマシンコントロール/マシンガイダンス(MC/MG)の実地研修などを計画している。
現場実務に関する研修については、ICT土工に関する標準カリキュラムや標準テキストを検討しているJCMAなどの業界団体にも協力を仰ぎ、全国規模で開催することを視野に入れている。
提供/建通新聞社