政府は19日に開いた産業競争力会議で、名目国内総生産(GDP)600兆円を実現するための成長戦略を示した。既存住宅流通・リフォームの市場規模を2025年に20兆円まで伸ばすなど、各分野の目標値を設定した。環境エネルギー分野では、建築物の省エネ化などを通じて、30年度のエネルギー関連投資28兆円を見込む。
GDP600兆円に向けて掲げているのは、10の「官民戦略プロジェクト」。このうちの一つである既存住宅流通・リフォーム市場の活性化に向けては、品質と商品としての魅力を兼ね備える「プレミアム既存住宅(仮称)」登録制度の創設、インスペクション・瑕疵(かし)保険の普及促進に努める。また、公的賃貸住宅団地の建て替えを契機とした子育て支援施設の誘致などを行う。
環境エネルギー分野で取り組むのは、省エネリフォーム倍増、新築住宅・建築物の省エネ化、ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)の普及による省エネ化の徹底。再生可能エネルギーの導入促進を目指し、固定価格買取制度・関連制度の一体改革なども進める。
20年の東京オリンピック・パラリンピックに向けては、PPP・PFI方式によって公的サービス・資産を民間に開放し、国内外の訪問客の増加に対応する。空港や港湾、文教施設などで、公共施設など運営権方式(コンセッション方式)を活用し、民間事業者による運営を促す。10年間(13〜22年)で12兆円に拡大させるとした、PPP・PFIの事業規模も見直す方向だ。
スポーツを成長産業化するためのプロジェクトも実施する。スタジアム・アリーナについて、アクセスや規模などを考慮した施設整備の在り方ガイドラインを作成する方向だ。25年の市場規模として15兆円を目指す。
提供/建通新聞社