環境省は、低炭素化が遅れがちな既存業務用ビルのオーナーやテナントに省CO2化を促し、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の実現に向けた取り組みを広げたい考えだ。その呼び水として、2016年度から国土交通、経済産業の2省と連携、「業務用ビル等における省CO2促進事業」をスタートさせる。オーナーとテナントとの協働によるグリーンリース契約など省CO2の取り組みを18年度末までに250件以上実施し、業務用ビルなどの低炭素化を促進する。16年度の事業費として55億円を手当てしている。
この事業は、国交省との連携による「テナントビルの省CO2促進事業」と、経産省と連携した「ZEB実現に向けた先進的省エネルギー建築物実証事業」の2本立てで構成する。
「テナントビルの省CO2促進事業」は、建築物所有者を補助対象とし、オーナーとテナントがあらかじめ契約や覚書などによって省CO2に協働して取り組む取り決めを行っている(グリーンリース契約などの)案件の調査費用と設備の改修費用を補助する。補助率は2分の1以内。
一方、「ZEB実現に向けた先進的省エネルギー建築物実証事業」は、中小規模の業務用ビルの所有者を対象に、ZEB実現に寄与する空調、換気、照明、給湯、BEMS装置の導入に要する費用を補助する。補助率は3分の2以内。補助要件はエネルギー削減率50%以上。
同省は、この事業を通じて建築物の省CO2化の手法としてのグリーンリースの活用を一般化させたい考え。併せてZEBの実現・普及を促進し、30年時点でのCO2削減目標における「業務その他部門」の目標である40%削減を達成させたい考えだ。
このため、同省は「業務用ビル等における省CO2促進事業」の事業執行業務を静岡県環境資源協会に委託。5月23日まで事業者を公募するとともに、4月18日〜28日に掛けて、札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡―の7会場で公募説明会を開く。問い合わせは、同協会 電話054(266)4161。
提供/建通新聞社