国土交通省の「i−Construction委員会」の小宮山宏委員長らは11日、同委員会の報告書を石井啓一国交相に手渡した。小宮山委員長は「建設現場の生産性向上は、インフラのメンテナンスにも将来的に貢献できるはずだ」との期待感を述べ、石井国交相は「4月から直轄事業にICT土工を本格導入した。報告書を踏まえ、今後も現場の働き方を変える取り組みを推進したい」と返した。
「建設現場の生産性革命」と題した報告書では▽ICT技術の全面的な活用▽全体最適の導入(コンクリート工の規格の標準化)▽施工時期の平準化―をトップランナー施策と位置付けた。
このうち、ICT技術の全面的な活用に関しては、測量から検査に至る全工程にICTを活用する「ICT土工」を直轄事業で本格導入。ICT建機のレンタル費用などの経費を発注者が負担する新積算基準や、ICT活用に対応した15の基準を制定した上で、4月から予定価格3億円以上の工事でICT活用を標準化した。
石井国交相は提言を踏まえ、「生産性の向上で、従来の3K(きつい・汚い・給料安い)から、給与・休暇が取れる・希望が持てる―の新3Kに建設現場を変えていきたい」との決意を示した。
提供:建通新聞社