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2016/04/06

数量訂正「契約事項」に 国交省が直轄営繕で試行

 国土交通省は、営繕工事で積算数量に誤りがあった際に変更協議を行うことを義務付ける「入札時積算数量書活用方式」の試行を開始した。これまで、入札参加予定者に「参考資料」として公開していた数量書の位置付けを明確にし、契約後に受注者が積算数量の誤りを見つけた場合、受発注者で協議して数量を訂正、請負代金額を変更することを「契約事項」と規定する。4月1日以降、競争入札を行うすべての営繕工事を対象に試行を始めた。
 国交省直轄の営繕工事では、入札参加者による工事費の積算や工事内訳書作成の効率化を目的に、1990年から参考資料として数量書を公開している。現在は、他の中央省庁や地方自治体でも同様に数量書を公開する取り組みが広がっている。
 入札参加予定者は、発注者の数量に拾い忘れがあると、発注者に質疑を提出し、発注者が入札段階で数量書を訂正する。ただ、契約後に受注者が数量の誤りを見つけるケースが明確に位置付けられていないため、発注者によって契約変更などの対応にバラツキが生じていた。
 入札時積算数量書活用方式では、入札説明書に同方式の試行工事であることを記載するとともに、積算数量に疑義があれば、受注者が監督職員に申請した上で受発注者が協議。必要に応じて訂正・契約変更することを契約書にも明記する。
 受発注者間の協議は、受注者が入札時に作成する工事内訳書の数量が、発注者の数量書と一致した場合に限って実施する。数量に疑義がある部分の工事が完了した段階では、受発注者による協議を申請することはできない。
 国交省では、4月1日から全営繕工事でこの試行を開始するとともに、5日に他の中央省庁や自治体にも周知した。品確法の基本理念では「公正な契約を適正な請負代金額によって信義に従って誠実に履行する」としている。技術職員が不足している自治体ほど数量に誤りが多いとの指摘もあることから、公共建築相談窓口による相談対応などを通じ、自治体に対して同方式を浸透させる考えでいる。
提供/建通新聞社