政府は2016年度の予算執行を9月末までに8割終える目標を掲げた。5日の閣議で、安倍晋三首相と麻生太郎財務相が関係閣僚に指示。公共事業費を中心に、15年度当初予算と15年度補正予算の繰り越し分、16年度当初予算について、9月末までに8割の契約を目指す。地方自治体にも、補助事業などを前倒しで執行するよう総務大臣名で要請した。
安倍首相は5日の閣議で、世界経済の不透明感が高まる中、成立した予算の執行が最大の景気対策になるとして「補正と合わせて当初予算もできるだけ上半期に執行してほしい」と発言した。
目標の対象となるのは、16年度に新たに契約できる16年度当初予算、15年度当初予算と15年度補正予算の繰り越し分。公共事業費については、9月末までに執行を8割完了するよう求め、公共事業費以外の経費も可能な限り前倒しで執行する。道路会社やUR都市機構などにも執行目標の達成を求める。
予算執行の上半期への前倒しで下半期の執行は減るが、菅義偉官房長官は5日の会見で「補正予算うんぬんは現実のことではない。せっかく成立した予算を1日も早く執行することはある意味当然のこと」として、16年度補正予算の編成についての明言は避けた。
提供/建通新聞社