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2016/04/05

「建築物石綿含有建材調査者協会」発足

 一般社団法人「建築物石綿含有建材調査者協会(代表理事、貴田晶子・愛媛大学農学部客員教授)」が、きょう5日発足する。国土交通省が同調査者を創設した目的や意図を踏まえ、▽実地調査の精度管理水準の向上に資する教育機会の提供▽震災時の石綿含有建材の判定・分別・廃棄対策の支援、協力▽国内外の石綿関連法規に関する調査研究に基づく石綿含有建材の管理および除去対策についての提言―などの活動を展開。建物内での石綿の飛散を防止し、国民の安心・安全に貢献していく考えだ。
 建築物石綿含有建材調査者は、「建築物の通常の使用状態における石綿含有建材の使用実態を的確かつ効率的に把握するため、中立かつ公正に正確な調査を行うことができる同調査者の育成を図る」ことを目的として国土交通省が制度設計し、2013年7月に大臣告示した「建築物石綿含有建材調査者講習登録規定」に基づく講習(講義、実地研修、修了考査)を修了した者の総称。2016年3月末現在、全国で560人の有資格者が誕生している。
 全国47都道府県それぞれで複数の有資格者が誕生したことを受けて、国交省はかねてから方針を示していた国庫補助での同調査者活用の「要件化」に16年度から踏み切る。
 社会資本整備交付金に基づく住宅・建築物安全ストック形成事業を対象として「建築物石綿含有建材調査者」による関与を義務化(競争参加のための要件化)する。
 石綿の含有調査については、同調査者自らが実施することとする一方、除去などについては実施計画の策定を同調査者が行い、この実施計画に基づく現場体制によって履行することを求める。
 国交省は社会資本整備審議会建築分科会アスベスト対策部会での調査・検討や学識者などからの意見を踏まえ、さらに同調査者の活用範囲を広げていく方針を示している。
 貴田代表は「協会をこのタイミングで立ち上げたのは、社会的要請に応え、国民の命を守るためには、建物の安心・安全を担保するための正しい石綿含有建材調査を実践していく強い使命感とスキルを持った技術・技能集団を結成する必要があると考えたからだ。多くの仲間(正会員、賛助会員)を得て、しっかりストック社会における社会的責任を果たしていきたい」と話している。
 同協会に関する問い合わせ先は、電話03(6272)8745。
提供/建通新聞社