国土交通省は、施工時期の平準化に関する都道府県アンケートの結果をまとめた。これによると、社会資本整備総合交付金などを充当する交付金事業について、都道府県22団体が2016年度から施工時期の平準化を目的に「ゼロ債務負担行為」を活用するか、活用する方向で検討していることが分かった。単独事業でも7団体、補助事業でも9団体が新たにゼロ債を活用する(検討中含む)と回答している。
ゼロ債を設定する工事では、12月議会で承認を受け、翌年の1〜3月に契約手続きを終えるのが一般的。ただ、交付金が充当される工事では、国の予算配分の内示が年度明けになるため、ゼロ債の設定を控える自治体も少なくない。
国交省は、4月の事業着手が可能になるゼロ債の活用が、4〜6月期の施工量を増やし、施工時期を平準化する面で大きな効果があるとみて、2月に交付金事業にゼロ債を活用することが可能との見解を全国の自治体に通知。アンケート調査は、この通知発出後の2〜3月に全47都道府県を対象に行った。
調査結果によると、15年度から交付金事業で施工時期の平準化を目的にゼロ債を活用していた都道府県は6団体にとどまっていたものの、16年度は検討中の自治体も含めて22団体に拡大した。
国の予算を充当しない単独事業では、15年度も
30団体がゼロ債を活用していたが、16年度は新たに7団体が活用(検討中含む)すると答えた。国の補助金を充てる補助事業でも15年度の14団体から、16年度は新たに9団体(検討中含む)が活用する方針を示した。
アンケート調査では▽発注見通しの統合▽執行率などの目標設定・公表▽積算の前倒し▽早期の繰り越し手続き―など、都道府県によるこの他の平準化の取り組みも聞いた。
発注見通しについては、すでに都道府県下の市区町村と統合している都道府県が25団体あった。年度当初から予算を執行するため、執行率や契約率の目標を設定している都道府県は34団体あり、そのうち11団体が目標を公表している。年度当初に速やかに手続きを開始するため、前年度のうちに設計・積算を完了させる取り組みを行っている都道府県は30団体、繰り越しの承認を早めに行っている都道府県は29団体あった。
提供/建通新聞社