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2016/04/04

担い手確保・育成 ターゲットを明確化 国交省

 国土交通省は3月31日、中央建設業審議会・社会資本整備審議会の基本問題小委員会を開いた。この中で国交省は、技能労働者の担い手確保・育成施策のターゲットを「新卒者採用」「中途採用」「離職防止(現役)」「女性」「高齢者」の五つに明確化、ターゲット別に目標を掲げた上で施策を推進する方針を示した。また、民間工事の品質を確保するため、発注者、設計者、施工者などの関係者が事前に協議する枠組みも示した。
 国交省は、技能労働者の担い手確保・育成について、社会保険未加入対策や、適正な賃金水準の確保などを進めているが、施策の対象を明確にすることで、施策の効果と実効性を高める。
 新卒者採用や中途採用に対しては、各企業の採用活動の強化を支援する。採用ルートを拡充するとともに、既存の工業高校からの採用ルートを強化する。「技能労働者の経験が蓄積されるシステム」(就労履歴管理システム)を構築することで、入職者の技能が適正に評価される環境を整える。
 建設業の新卒採用者の39%が3年目までに離職する現状を踏まえ、離職防止をターゲットとする施策も強化する。資格取得への支援によるキャリアパスの具体化、業界・地域による教育訓練体制の整備などを進める。高齢化が進み、55歳以上の技能労働者が全技能労働者の3分の1を占めることから、高齢者の「引きとどめ」も図る。高齢者雇用を促進するため、高齢者が培った経験を生かすことができる指導教員などとしてキャリアパスを示す。
 基礎杭工事などに代表される不可視部分など、契約時に想定できなかったリスクを回避する、民間建設工事における事前協議についても議論した。国交省は、発注者、設計者、工事監理者、施工者が事前に協議する項目として▽支持地盤の深度▽地下水位▽設計図書▽資材納入▽近隣対応▽騒音・振動―の6項目を例示。これらの項目でトラブルが発生した際、関係者が協議する枠組みも示した。
 国交省は4月中に次回会合を開く。6月をめどに中間報告をまとめる。
提供・建通新聞社