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2016/04/01

歩切り全459団体が廃止 品確法改正、目に見える成果 国交省

 国土交通省は、2015年1月時点で歩切りを行っていた地方自治体459団体のすべてが、4月1日までに歩切りを取りやめたことを明らかにした。2014年の品確法改正後、歩切りが予定価格を適正に設定することを発注者責務と位置付けた同法に違反する行為だとして、国交省は歩切り根絶を目指して再三にわたり取りやめを要請。ことし2月時点で、歩切りを継続する意向を示す自治体は3団体あったが、首長を直接働き掛けた結果、いずれも3月中に歩切りを取りやめることを決めた。
 品確法では、適切に作成した仕様書・設計書に基づき、施工の実態を反映した積算を行い、予定価格を適正に定めることを発注者の責務と定めている。国交省と総務省は、適正な積算で算出した設計書金額を控除する歩切りが、品確法に違反する行為だとして、歩切りの実態や歩切りを行う理由を問う調査や取りやめの要請を行っていた。
 15年1月に行われた初めての実態調査で、「慣例、自治体財政の健全化等のため歩切りを行っている」と回答した自治体は459団体あった。国交省は、この459団体を対象に早期の取りやめを要請。ことし2月時点の調査では「見直しを行う予定はない」と回答する自治体は3団体にまで減少していた。
 この3団体(関東2団体、中部1団体)については、国交省と県の職員が首長と面会し、品確法の趣旨や歩切りの違法性を説明し、歩切りの早期取りやめを要請。3団体の首長は、その場で4月までに歩切りを取りやめると答えたという。
 一方、国交省は、予定価格の漏えいを防ぐため、設計書金額の端数を切り下げて予定価格を決める「端数処理」については、減額が極めて少額にとどまる場合は「やむを得ない」との姿勢で、これまで取りやめを強く要請してはいない。端数処理を行っているとみられる自治体は、4月1日時点で少なくとも252団体はあるとみられることから、同省は今後対応を検討するとしている。

提供:建通新聞社