国土地理院は30日、UAVを公共測量に使用する際の標準的な作業マニュアルを定めた「UAVを用いた公共測量マニュアル(案)」と「公共測量におけるUAVの使用に関する安全基準(案)」を公表した。国土交通省が進める「i-Construction」を測量業務領域に適用することを前提として、測量業者がUAVによる測量を円滑かつ安全に実施できる環境を整備、建設現場における生産性の向上に貢献することが目的。同マニュアル(案)は工事測量での活用も想定して作成した。
公共測量の領域でもUAVの需要は増加しており、今後も測量作業の多くの場面で使用されるとみられている。このためマニュアル(案)は、「UAVを用いた空中写真測量」の精度を確保するための基準や作業手順などを整理、規定した。
「UAVを用いた空中写真測量」は、地図情報レベル250から500の数値地形図データの整備を目的とする公共測量を対象とし、「UAVを用いた空中写真による三次元点群測量」は、土木工事での土工管理が必要になる測量にも適用できるようにした。
「三次元点群データの平面位置と高さの要求精度は「最大誤差が0・05bの値を超えない」ものとして設定し、それぞれの作業工程における必要事項を規定した。
撮影高度は、三次元点群データの高さの精度を最大0・05bとするとき、地上画素寸法が0・01bとなるように使用するカメラの画素サイズと焦点距離から決定する。
空中写真の重複度は、三次元点群データの要求制度とは関係なく、同一コース内の隣接空中写真間で90%以上、隣接コースの空中写真間で60%以上とし、計測誤差は平面位置、高さとも全て0・05b以内であることを求める。
安全基準(案)は、UAVを使用した測量用空中写真撮影やレーザ計測による地形データの取得などを行う際に、総重量が25`未満の中・小型回転翼機(マルチコプター)を使用することを想定。UAVを公共測量で使用する際に安全な作業を行うために順守すべきルールなどについて規定した。
提供:建通新聞社