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2016/03/25

とび・土工 民間資格活用で「評価の視点」

 国土交通省の「とび・土工工事業の適正な施工確保に関する検討会」は24日、とび・土工工事業の主任技術者要件に民間資格を位置付ける仕組みについて、報告書をまとめた。報告書では、とび・土工工事業のうち、基礎杭工事の主任技術者に求められる技術・知識
を明らかにし、国交省が民間資格を登録する際の「評価の視点」を提示。この視点に立ち、既存民間資格の「基礎施工士」を評価したところ、主任技術者の要件に位置付けることが妥当との結論を盛り込んだ。
 建設業法に基づく主任技術者資格は、施工管理技士などの国家資格が大半だが、「地すべり施工士」など一部の民間資格も主任技術者資格として認められている。国交省は、合格者の技術力を担保できる民間資格については活用を広げたい考えで、とび・土工工事業のうち基礎杭工事に関し、昨年9月から検討会で議論を重ねてきた。
 報告書では、民間資格を基礎杭工事の主任技術者資格として登録する際の「評価の視点」を提示。評価するのは「既存資格者の実態」「試験制度」「試験内容」の3点。試験制度では、資格保有者数が一定以上あること、全国に試験会場があること、合格者の知識・技術の向上に向けた措置を講じていること、などを評価する。
 試験内容については、専門的知識・技術的知識に加え、安全管理、施工管理能力、技術者倫理などに関する問題が盛り込まれていることが必要になる。さらに、横浜市における基礎杭工事問題を踏まえ、国交省がまとめた「一般的施工ルール」や、各業界団体がつくる「自主ルール」に関する知識の習得も求める。
 検討会では、こうした評価の視点で、日本基礎建設協会(日基協)とコンクリートパイル建設技術協会(COPITA)が運営する「基礎施工士」を審査したところ、登録が妥当と結論付けている。また、とび・土工工事の許可業者が施工できる工事は基礎杭工事に限らず、広範囲にわたることから、登録された資格を活用する元請けや発注者に対し「工事内容に応じて適正な技術者を配置することが望ましい」とも記述している。
 国交省は、今回の報告書を踏まえ、近く建設業法の省令を改正するための手続きに入る。

提供:建通新聞社