国土交通省は、直轄工事におけるプレキャストコンクリート製品の検査時に提出を求めている工事書類を大幅に削減する。プレキャスト製品のうち、JIS製品については、4月からJIS表示の確認で品質を検査し、試験結果などの書類提出を求めない。品質証明に関係する書類提出を不要とすることで、最大7割の書類削減を図ることができるとしている。
プレキャスト製品については、統一的な品質管理基準が整備されていないため、現場ごとに求められる品質証明が異なり、中には現場打ちコンクリートと同じ量の書類提出を求められるケースもあるという。
国交省は3月中にプレキャスト製品の品質管理基準を作成し、提出書類を明確にする。具体的には、JIS製品に限り▽塩化物含有量試験▽アルカリ骨材反応試験▽鉄筋ミルシート▽鉄筋出来形検査表▽品質記録表(配合・材料特性3種・骨材の単位容積重量試験、品質試験結果、打設関係)―に関する書類提出を求めない。
これらの品質証明に関する書類に代わり、プレキャスト製品のJIS表示の写真を提出させ、品質を確認する。このため、4月以降に発注者が検査時に提出を求める書類は、総括表、出来形検査表(寸法・形状・外観など)、JIS表示の写真に限定されることになる。
直轄工事の提出書類をめぐっては、中部地方整備局や北陸地方整備局が先行して削減に取り組んでいる。中部地整は16年度にも提出書類などを規定した特記仕様書を改訂する予定で、改訂後の特記仕様書を検証した上で、全地整に展開することを視野に入れている。
提供:建通新聞社