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2016/03/17

国交省 総価契約単価合意方式を見直し

 国土交通省は、請負代金の変更金額を算定するための単価を受発注者間で事前に合意する「総価契約単価合意方式」を見直す。同方式では、共通仮設費を一式の合意単価として扱うが、共通仮設費の積み上げ計上分(建機の運搬費など)にも当初の合意率が反映されるため、追加工事の共通仮設費は目減りする。4月1日に入札公告する工事から、追加工事における共通仮設費の積み上げ分の官積算額に当初の合意率を反映しない形にあらためる。
 総価契約単価合意方式では、追加工事などで請負代金額を変更する場合の変更金額や部分払金額を算定する際、使用する単価などを事前に受発注者で合意する。設計変更に伴う協議を円滑にする目的で、2010年度から直轄事業で全面的に導入されている。
 今回は、追加工事の官積算額を算定する際の共通仮設費の積み上げ分の扱いを見直す。共通仮設費は、直接工事費に経費率を乗じた額に、建機の運搬費用などを積み上げた額を加えて算定する。総価契約単価合意方式では、共通仮設費をまとめて一つの合意単価としているため、この積み上げ分にも当初合意率が反映されてしまう。
 例えば、落札率90%の工事では、追加工事における共通仮設費の積み上げ分にも90%を乗じて官積算額を算定される。受注者はこの官積算額を予定価格として入札し、追加工事の変更金額が決まる。今回の見直しでは、共通仮設費の積み上げ分については、追加工事があっても施工体制が異なるものと見なし、当初合意率を反映せずに官積算額を100%で計上する形に変更する。
 この他、複数年度にわたる国債工事として発注する維持工事で、2016年度から単年度ごとに間接工事費を精算する方式に見直すことに伴い、総価契約単価合意方式の積算を見直す。変更回数が通常よりも多い維持工事では、追加工事の積算に直近の合意率を反映させているが、複数年度の維持工事では、次年度1回目の積算に契約当初の合意率を使うようにする。
 また、総価契約単価合意方式のうち、「単価包括合意方式」の名称を「包括的単価合意方式」に変更。一度合意した単価を変更のたびに変えないようにする。

提供:建通新聞社