国土交通省は、高速道路・暫定2車線区間への付加車線設置の考え方をまとめた。速度低下や事故多発への対策が必要な箇所を選定した上で、付加車線を設置するもの。全国数カ所で試行する方針で、今春以降、検討・設計を進めていく。
開通済みの高速道路9311`の約3割(2538`)を占める暫定2車線区間については、通行速度の低下や死傷事故の多発、大規模災害時への対応といった課題が指摘されている。
付加車線の設置は、こうした状況を踏まえたもので、ETC2・0などで得たデータを活用して交通状況を詳細に把握し、対策が必要な箇所を選定していく。付加車線が連続する場合については、4車線化を実施する方針だ。
対策を講じる箇所の選定に当たっては、実際の速度低下や事故発生リスクなどを勘案。このうち速度低下については、近傍の4車線区間の平常時速度に比べて著しく低下(おおむねマイナス25%)している箇所を抽出する予定。災害発生リスクは、インターチェンジなど分合流部での事故や反対車線側への飛び出し事故の状況を確認する。
付加車線を設置した後は、その効果を確認し、適宜行う選定基準の見直しに反映させることになる。
なお、暫定2車線区間の4車線化については、手続きの簡素化を可能とした改正・高速道路法施行令が昨年11月に公布・施行された。国土開発幹線自動車道建設会議(国幹会議)での承認を経ずに整備計画が大臣決定することになっている。
提供:建通新聞社