国土交通省は7日、生産性向上による経済成長の実現を目指す生産性革命本部の初会合を開き、「生産性革命プロジェクト第1弾」を決定した。直轄工事の生産性を向上させるi―Constructionでは直轄事業でICTの全面的な活用を図るため、受注者に対するICT建機の導入コスト支援などに加え、全国30カ所で技術者・技能者向けにICT土工の講習会を開く方針を示した。
生産性革命本部の本部長を務める石井啓一国交相は「人口減少による労働供給の制約を補うために生産性向上は必要不可欠なものだ」と初会合の冒頭であいさつ。今後、月1回のペースで会合を開き、第2弾以降のプロジェクトを順次打ち出す方針だ。
プロジェクト第1弾には「本格的なi―Constructionへの転換」が盛り込まれた。15年度末までに発注仕様・監督・検査などの基準や新積算基準を整備した上で、16年度から大規模土工に原則としてICTを全面適用。中規模な土工には希望する施工者にICT土工を導入してもらう。ICT土工に対応できる技術者・技能者の拡大を図るため、民間の協力を得て全国の技術事務所が持つ研修施設30カ所程度で講習も開く。
道路移動時間の約4割が費やされている渋滞の解消に向け、交通量のビッグデータから渋滞箇所を特定し、ピンポイントで対策を講じる。渋滞が発生する要因の約3割を占めるサグ部(下り坂から上り坂に差し掛かる凹部)や上り坂で、付加車線の整備による対策の実施を検討する。
具体的には▽東名高速大和トンネル付近▽中央道小仏トンネル付近▽首都高速板橋・熊野町ジャンクション▽阪神高速阿波座付近―で対策を実施する計画だ。
生活道路の交通安全対策にもビッグデータを活用。速度超過や急ブレーキが多発する箇所を事前に特定し、16年度から「凸部(ハンプ)」や「狭窄(きょうさく)部」などの速度低減策を実施する。
提供:建通新聞社