石井啓一国土交通相は4日の閣議後会見で、生産性向上による経済成長の実現を目指した「国土交通省生産性革命本部」を立ち上げることを表明した。初会合は7日に開く。石井国交相は「労働者数が減少しても、生産性を上げれば経済成長を確保できる」と述べ、社会のベース・産業別・未来型の3分野で生産性向上に取り組む方針を示した。建設分野では、2016年度からi−Constructionに本格的に転換し「(直轄工事の)大規模な土工には原則としてICT(情報通信技術)を全面適用したい」と話した。
石井国交相は「本格的な人口減少によって、生産年齢人口は30年までの20年間に毎年1%程度減少する」と指摘した上で「移動時間の約4割が渋滞に費やされるなど、さまざまな社会の無駄を減らし、生産性を向上すれば、経済成長を続けることができる」と発言。
データ解析によるピンポイントの渋滞対策を講じる「社会のベース」、建設・物流・住宅産業などの「産業別」、ICTやロボット技術の活用を広げる「未来型」―の3分野で生産性向上に向けたプロジェクトを立ち上げる方針を示した。
昨年11月にi−Constructionを打ち出し、測量から検査に至る全プロセスにICTを導入するとしている建設分野では、3月末までに直轄工事におけるに測量、検査などの15の基準を制定する。ICTの導入が遅れている企業に対する支援策として「ICT建機のリース料を含む新積算基準を整備する」ことも明かした。
生産性革命本部は石井国交相を本部長とし、同省の局長級らが参加する。毎月1回程度開催し、各分野ごとの具体策をプロジェクトとして順次示す。経済団体からも意見を聞く。
提供:建通新聞社