国土技術政策総合研究所は、国土交通省直轄工事における総合評価落札方式の実施状況(2014年度)をまとめた。13年度に本格運用を始めた施工能力評価型(T型、U型)と技術提案評価型(S型、A型)は、同年5月以降に適用率が100%となり「総合評価落札方式の二極化」への移行を完了。類型別では、施工計画やヒアリングを求めない「施工能力評価型U型」の適用が74%と大半を占めた。
国交省は、工事の難易度に応じて3タイプ(簡易型、標準型、高度技術提案型)を適用していた総合評価について、簡易に技術力を評価する「施工能力評価型」と技術提案を重視する「技術提案評価型」への二極化を13年度から本格運用。二極化後の新方式は、13年度に徐々に適用率を高め、14年5月以降は総合評価を実施した100%の工事に新方式が適用されている。
類型別の実施件数を見ると、競争参加者の企業・技術者の実績を評価する「施工能力評価型U型」が全体の74%に当たる6001件と大半を占め、企業・技術者の実績に加えて施工計画の提出などを求める「施工能力評価型T型」が18・6%の1506件と次いで多かった。
施工上の課題に関する技術提案を求める「技術提案評価型S型」は7・2%の585件で実施。S型は「鋼橋上部」と「PC」で30%以上の工事に適用されるなど適用率が高く、その他の工種では適用率は10%を下回っている。部分的な設計変更を含むより高度な技術提案を求める「技術提案評価型A型」の適用は2件にとどまった。
提供:建通新聞社