自民党のITS推進・道路調査会の無電柱化小委員会が25日に開かれ、電柱の新設を制限する「無電柱化推進法案」を今通常国会への提出を目指す方針が確認された。議員立法の同法案は2014年度に自民・公明党の党内手続きを終えているものの、現在まで国会に提出されていない。小委員会の小池百合子委員長は「今国会での成立を目指したい」と提出に意欲を示した。
無電柱化推進法案は、国・地方自治体・電気事業者に、良好な景観形成や安全な交通の確保を阻害する道路上の電柱や電線の設置を抑制する責務を課す。国土交通大臣に「無電柱化推進計画」を策定し、無電柱化の基本方針を定めるよう求める他、都道府県・市町村にも計画を策定する努力義務を与える。
自民・公明党は、2014年11月までに法案提出に向けた党内手続きを終えているが、その後の衆院解散などの影響で、14年臨時国会、15年通常国会と2度にわたり提出が見送られた経緯がある。
無電柱化をめぐってはこの間、200団体以上の市区町村の首長があつまる市区町村長の会が発足したり、野党の民主党にも議員連盟が発足するなど、法案の提出・成立に向けた機運が高まりつつある。小池委員長は25日の会合で「3度目の正直」と今国会への提出に意欲を見せている。
ただ、法案成立への機運が高まる一方、夏に参院選を控える今国会は、例年よりも早い6月1日に会期末を迎えるため、提出は難しいとの見方もある。
他方、国交省は、道路法第37条に基づく義務専用規定を見直し、道路管理者が緊急輸送道路への電柱新設を禁止できるようにし、4月から直轄国道で電柱新設を禁止する。地中化した電線類の固定資産税軽減、電線類の埋設基準の緩和など、法案の成立に先んじた施策を立て続けに打ち出している。
提供:建通新聞社