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2016/02/18

水道の基盤強化策、法改正を視野に検討

 厚生労働省は17日、厚生科学審議会生活環境水道部会(部会長、大垣眞一郎・水道技術研究センター理事長)を開き、新たに「水道事業の維持・向上に関する専門委員会」を設置することを決めた。次期通常国会での水道法改正を視野に入れ、▽水道事業の基盤強化▽水道施設の更新・強靭(きょうじん)化▽指定給水装置工事事業者制度の見直し―などについて具体的な対応策を議論し、今夏をめどに検討の成果をまとめる。
 部会には、太田房江厚生労働大臣政務官が出席。「施設の老朽化、人口減少に伴う給水収益の悪化、職員の高齢化など水道事業の経営環境は厳しさを増している。つい先ごろには異常寒波によって全国で50万世帯が断水するという事態に直面したばかりだ」と指摘。その上で同省が設置した「水道事業基盤強化方策検討会がまとめた『水道事業の基盤強化方策に盛り込むべき事項』と、指定給水装置工事事業者制度に関わる検討会がまとめた『同制度に係る課題解決の方向性と対策案(概略)について』の取りまとめについて、さらに議論を深めていただきたい」と述べ、水道事業の持続可能性向上に向けた具体策の提示に期待を示した。
 「水道事業基盤強化方策検討会」は、16年1月にまとめた「水道事業の基盤強化方策に盛り込むべき事項」の中で、97・7%の水道普及率や「安全でおいしい水」の実現を達成した一方で、施設の老朽化や耐震性の不足、水道職員の減少と高齢化、収益の悪化など、人口減少によって一層厳しくなる事業環境を客観的に指摘。水道施設の更新・強靭(きょうじん)化による水道の「持続可能性の確保」が課題だとして、従来より踏み込んだ行政手法の提示を求めていた。
 また「指定給水装置工事事業者制度に係る検討会」は、不明工事事業者の存在など改善を要する現行制度の課題を整理。その上で、課題解決の方向性として「水道事業者、特に小規模水道事業者の体制を考慮した仕組みづくり」「指定工事事業者の過度の負担とならない仕組みづくり」の必要性を指摘していた。

提供:建通新聞社