国土交通省は、17日に開いた建設業団体との意見交換会に社会保険加入状況調査(2015年10月時点)の結果を報告した。これによると、雇用保険・健康保険・厚生年金の3保険の加入率は、企業別で前年度比2・8ポイント増の95・6%、労働者別で4・7ポイント増の72%といずれも上昇。地域別に見ると、関東の企業別が8・6ポイント増の大幅な上昇となり、全地域で最も高い伸び率となった。
15年10月に行った公共事業労務費調査で得られた公共工事に携わる企業・労働者の社会保険加入率を集計した。
企業別の加入率は、2・8ポイント増の95・6%。未加入対策が始まる前の11年10月時点と比べると11・5ポイント
伸びたことになる。対策が始まる前から加入率が高い元請けが1ポイント増の98・5%と高止まりした一方、1次下請けが2・7ポイント増の96・3%、2次下請けが5・3ポイント増の91・5%、3次下請けが5・5ポイント増の88・1%と、高次の下請け企業ほど加入率が伸びた。
地域別では、関東が92・9%となり、前年度を8・6ポイント上回る大幅な上昇。11年10月時点と比べると、22・6ポイント増の大きな伸びとなる。中部は91・3%で前年度を2・7ポイント下回り、全地域で最低になった。
一方、労働者別の加入率は4・7ポイント増の72%、11年10月時点と比べると15・3ポイント伸びたことになる。元請け・下請け次数別の加入率は、元請けが85%(2・2ポイント増)、1次下請けが70・8%(5・2ポイント増)、2次下請けが63・9%(6・6ポイント増)、3次下請けが66・4%(8・1ポイント増)で、3次下請けよりも2次下請けの加入率が低い結果が出ている。
地域別では、北陸が86・7%(4・2ポイント増)と最高。関東が55・3%(6・2ポイント増)、近畿が60%(2・1ポイント増)となるなど、依然として都市部の加入率が低い。
提供:建通新聞社