日本建設業連合会(日建連)は15日に開いた「日建連国際フォーラム」で、全国鉄筋工事業協会(全鉄筋)と野原産業(東京都新宿区)の外国人技能実習制度に関わる取り組みを「ベストプラクティス」として表彰した。全鉄筋に日建連国際委員長賞、野原産業に特別賞を贈呈。審査委員長を務めた芝浦工業大学の蟹澤宏剛教授は、両者が母国での教育に力を入れていることなどに触れて「日本の建設業の国際競争力の強化、アジア全体の建設技術の向上に結び付いていけば素晴らしい」と評した。
ベストプラクティスの表彰は外国人技能実習制度の普及啓発と活用促進につなげる目的で実施。2015年度が6回目で、今回から外国人建設就労者受入事業も対象に加えた。
全鉄筋は10年2月から15年7月までに中国とベトナムから延べ338人を受け入れた。入国前の実技試験や入国後の玉掛け技能講習とクレーン特別教育などを展開しており、外国人建設就労者受入事業では特定監理団体の第1号となった。
一方、野原産業はベトナム・ホーチミン市の近郊で現地の送り出し機関と内装工事の専門学校を共同運営し、15年11月末までに約250人の卒業生を輩出した。帰国後の実習生の受け皿などとなる現地法人の設立も予定している。
当日のフォーラムでは日米建設懇談会も開催。オーバーシーズ・ベクテル・インコーポレーテッドの宮ア丈彦日本支社長が「外から見た日本の建設技術者」、大林組の福本勝司常務執行役員海外支店副支店長が「米国土木工事における日本のゼネコンのマネジメント」、国土交通省の海堀安喜建設流通政策審議官が「建設業の国際展開に関する国土交通省の最近の施策」をテーマに講演した。
提供:建通新聞社