国土交通省は1日、基礎杭工事の工事監理の留意点を示した「基礎杭工事における工事監理ガイドライン案」をまとめ、パブリックコメントを始めた。基礎杭工事問題の再発防止策の一つとして、工事監理の確認項目・方法を明確にしたもの。工事監理者に試験杭の施工に原則「立ち会い確認」を行うことや、必要に応じ、抽出した本杭の施工にも立ち会い確認を行うことを求めた。
ガイドラインは、同省の「基礎ぐい工事問題に関する対策委員会」がまとめた中間報告で、既製コンクリート杭の適正な
施工体制の構築を補完するため、策定を求めていた。工事監理全般を対象とする「工事監理ガイドライン」と併せて活用されることを想定している。
ガイドライン案では、基礎杭工事が目に見えない地盤を対象に行うものであり、支持層の確認に電流値や土質も含めた総合的な判断を必要とする難易度の高い工事であるとし、工事監理者に対し、施工前に建築主・設計者・施工者と地盤情報を共有することを要請した。
施工者がつくる施工計画は、国交省が2月中にまとめる告示や、告示に準拠して建設業団体がつくる「自主ルール」に沿ったものであることを確認するよう求めた。
試験杭の施工には、原則として立ち会い確認を行い、杭の長さ・位置・支持層の土質・支持層の根入れ深さなどをチェックする。本杭も抽出して立ち会い確認を行い、施工計画で施工記録の確認方法などが十分でない場合には抽出率を高めることを求めている。立ち会い確認を行わない杭についても、施工者がつくる自主検査記録、施工記録、工事写真などの書類で確認すべきとした。
提供:建通新聞社