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2016/01/29

都道府県30団体 補助金・交付金に債務負担

 国の補助金・交付金事業を充てる公共工事に債務負担行為を活用している都道府県が30団体あることが、国土交通省の調査で明らかになった。4月以降に行われる補助金・交付金の内示を待って入札手続きを始めると、、契約が6月以降になることもあり、4〜6月期に施工量の端境期が生じる要因の一つになる。ゼロ県債を設定し、単独事業として年度末までに契約、内示後に国費を充てるといった財政上の工夫をこらすことで、施工時期などを平準化する効果が期待できる。
 通常、公共工事の発注者は、予算成立後の4月から入札契約手続きを行うため、4〜6月期に施工量が減少してしまう。過去5年間の平均で閑散期と繁忙期の施工量の差を見ると、民間工事の繁忙期の施工量は閑散期の1・2倍であるのに対し、国交省直轄工事は1・7倍、地方自治体は2・3倍となっており、自治体発注工事でその差が最も大きくなっている。
 国交省の調査によると、公共工事に債務負担行為を活用している都道府県44団体のうち、施工時期などの平準化を目的に債務負担行為を活用する都道府県は12団体あった。債務負担行為を設定して複数年度で予算を確保することで、ピーク時に稼働している工事を端境期である4〜6月期にシフトすることが可能になる。
 一方、交付金や補助金を財源に使う工事は、国からの内示が4月以降となるため、入札手続きなどを経ると着工が6月以降になることも多い。国交省の調査で補、助金・交付金事業に債務負担行為を設定していると回答した都道府県30団体の中には、国からの内示を待たずに4月に着工できるよう、単独事業としてゼロ県債を設定し、年度末までに契約手続きを終えてしまうところもある。
 4月以降に国の内示を受けた後、すでに着工した工事の財源に国費を充当する。
 国交省の調査で、都道府県には平準化に効果がある財政的な措置が一般的であることが確認されたが、同様の措置を講じる市区町村の動きは限定的。同省は、こうした財政措置により、都道府県を通じ、市区町村にも施工時期などの平準化に取り組むよう働き掛ける考えだ。

提供:建通新聞社