WTO政府調達協定の対象工事・業務委託の基準額が為替レートに応じて引き上げられることが決まった。4月1日以降、中央省庁・独立行政法人などの工事の基準額は現行の6億円から7億4000万円、都道府県・政令市は20億2000万円から24億7000万円に引き上げる。適用期間は2018年3月末まで。
WTO政府調達協定基準額は、各国の通貨価値を反映させるため、2年ごとに見直す。国債通貨基金の特別引出権(SDR)を円換算し、邦貨換算額を決める。今回は、円安が急速に進んだことで、中央省庁・地方ともに基準額が大きく引き上げられることになった。
国交省直轄工事の発注標準では、一般土木と建築のB等級は3億円〜7億2000万円が対象になるため、一部の工事をWTO政府調達協定の対象工事として発注しているが、基準額が7億4000万円に引き上げられたことにより、全工事が対象工事から除外される。
WTO政府調達協定の対象工事は、総合評価落札方式で技術提案の配点を高くする傾向があるが、対象から除外されたB等級の工事では過去の実績などをこれまでよりも重視する入札方式を採用することになるとみられる。
新たなWTO政府調達協定基準額は次の通り(かっこ内は現行の基準額)。
▽中央省庁(独立行政法人など含む)―@工事7億4000万円(6億円)A業務委託7400万円(6000万円)B物品1600万円(1300万円)
▽都道府県・政令市−@工事24億7000万円(20億2000万円)A業務委託2億4000万円(2億円)B物品3300万円(2700万円)
提供:建通新聞社