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2016/01/20

林業復活・地域創生を推進する国民会議

 林業復活・地域創生を推進する国民会議(会長・三村明夫日本商工会議所会頭)が19日、東京都内で開かれた。木材原産地と消費地との連携に取り組む川崎市の「崎−崎モデル」や、森林未来都市を志向する北海道下川町など、林業の成長産業化を目指した先進的な事例の他、国産材の資源活用拡大に向けた提言が報告された。
 日本プロジェクト産業協議会(JAPIC)と日本創生委員会が主催する同会議は、林業復活と地域創生、木材の需要拡大を理念に掲げて2014年12月に発足。日本経済団体連合会や日本商工会議所をはじめとする経済団体、林野庁などが後援に名を連ね、農水相への提言などの活動を展開している。
 会議に来賓として出席した森山裕農水相は、「豊かな森林は大きな潜在力を持ち、林業の成長産業化は地域振興につながる」とした上で、「木材需要の拡大、施業の集約化、路網整備など川上から川下まで一連の流れに取り組む」との考えを示した。
 事例発表では、川崎市の福田紀彦市長が「崎−崎モデル」を紹介。首都圏の消費地としてのポテンシャルを持つ同市と、豊富な森林資源を持つ宮崎県が互いの特徴や強みを生かす取り組みで、公共建築物や民間建築物での木材利用、フードビジネスの推進などを行っているという。福田市長は今後の取り組みについて「川崎にとどまることなく、東京や横浜といった大消費地にも広げていきたい」と述べた。
 面積の88%を森林が占める下川町では伐採、植林、育成を繰り返す「循環型森林経営」に取り組むことで、就労・雇用の確保や、地元製材業者への木材安定供給を目指している。谷一之町長は「木材を余すところなく商品化、加工する『カスケード利用』に向けた技術を育成している」と取り組みを説明。また、森林バイオマスによるエネルギー自給を実現することで、林業生産額や雇用の増加を目指す考えを示した。
 提言は林業復活・地域創生ワーキンググループが報告。国産材需要の拡大、多様な森林マネジメントの導入、国民に愛される森林づくりを行い、林業の成長産業化を目指すべきとした内容となっている。

提供:建通新聞社