林野庁は国土交通省と連携し、都市の中高層建築物の木質化に欠かせないCLT(直交集成板)の技術開発と普及活動を進める。林野庁はCLTの強度データ収集を続ける一方、2016年度は施工マニュアルを整備。国交省はCLTを用いた建築物の基準強度と許容応力度計算など一般的に使われる比較的簡易な構造計算による設計法の大臣告示を16年度上期をめどに行うことにしている。
林野庁は、新たな木材需要創出総合プロジェクトの16年度予算を充て、CLTを活用した建築物の建設を支援して実証データを積み重ねるとともに、中・大規模木造建築物の木造化に取り組む建築士を養成するため、中・大規模建築物の構造や材料を学ぶことのできる講習会を開催する。
生産体制の構築も急ぐ。24年度までに年間50万立方b程度の生産ができる体制の構築を目標に掲げ、16年度は年間5万立方b程度の生産を目指す。
CLTは、ひき板を繊維方向が直交するように積層接着した重厚なパネルで、既に欧米の中高層建築物などでも利用されている。林野庁は国内の中高層建築物などへの活用によって新たな木材需要を創出できると考えており、13年12月に「直交集成板」のJAS(日本農林規格)を定め、14年1月から施行。14年11月には国交省と共同でCLTの普及に向けたロードマップを策定している。
提供:建通新聞社