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2016/01/13

技術職員不足 多様な入札契約方式で補う

 国土交通省の「多様な入札契約方式モデル事業」の支援対象である東京都清瀬市が、新庁舎建設事業にCM(コンストラクション・マネジメント)方式を採用することを決めた。投資的経費が例年10億円台で推移する同市に事業費約50億円の新庁舎建設事業を発注する体制は整っておらず、CMR(コンストラクション・マネージャー)が設計者の選定から施工管理まで支援するCM方式が最適だと判断した。技術職員不足を入札契約方式の工夫で解決する事例として、全国の市町村にとってモデルケースとなる事例といえそうだ。
 モデル事業では、改正品確法に位置付けられた多様な入札契約方式を導入する自治体に、国交省の費用負担で建設コンサルタントなどを派遣し、入札契約方式の検討、事業費算定、工事費積算、入札説明書・特記仕様書などの作成を支援する。 同市の新庁舎建設事業は耐震性能が不足する現庁舎を延床面積約1万平方bの新庁舎へと建て替える計画だ。ただ、同市には営繕関係の専門部署はなく、1級建築士の資格を持つ技術職員も2人だけで、嘱託職員で通常業務を補っている。これまで延床面積1万平方bを超える公共施設を建設した実績もないという。
 同市は、こうした体制で新庁舎建設事業を実施する上で、最適な入札契約方式を模索。モデル事業で国交省から派遣された明豊ファシリティワークスの技術的な協力を受け、技術的な中立性を保つCMRが設計者の選定から施工段階における工程管理やコスト管理を担うCM方式を採用することを決めた。
 7日に開始したCMRの公募では、モデル事業の支援事業者の提案を生かし、発注者・CMR・設計者の役割分担を明確にしたほか、CMRに基本設計段階からコスト管理推移シートを作成し、発注者のコスト管理を支援することを明記した。
 国交省土地・建設産業局建設業課は「数年に1度しかない大型事業に備えた体制を市町村が常に整えることは現実的に難しい」とした上で「そうした意味でCM方式は今回のケースに適した入札契約方式ではないか」と話す。
 同省は16年度にもモデル事業で支援する自治体を新たに選定するとともに、これまでの支援実績を類型化するなどして、支援先以外の自治体にも多様な入札契約方式の導入を働き掛ける方針だ。

提供:建通新聞社