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中央ニュース

2016/01/05

介護サービス基盤12万人分、上乗せ前倒し

 政府は、在宅・施設サービス整備を加速化する。厚生労働省が地域包括ケアシステムの構築に向け、都市部における特別養護老人ホーム(特養)などの整備に関する規制の緩和などによって、約10万人分の整備を現行の第6期および第7期介護保険事業支援計画に上乗せ、前倒しして実施。国土交通省もサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の整備を約2万人分追加し、2020年代初頭までに両省合わせて約12万人分の介護サービス基盤を上乗せして整備する。
 介護を理由とする離職者が、近年は毎年10万人前後発生している一方で、特養への入所申し込みをしている在宅の要介護3〜5の人が約15万人いる現在の状況を重く見た政府の1億総活躍国民会議が、15年11月にまとめた緊急対策の中に「介護離職ゼロ」を掲げ、約12万人分の上乗せ、前倒し整備を盛り込んだことを受けての措置。
 厚労省は、この緊急対策を着実に実施していくための予算として15年度補正案に国費ベースで921億円を計上。各都道府県が造成している地域医療介護総合確保基金を積み増し、▽特養▽介護老人保健施設▽認知症高齢者グループホーム▽ケアハウス▽小規模多機能型居住介護▽看護小規模多機能型居宅介護▽定期巡回・随時対応型訪問介護看護―などを対象として、それぞれの整備を支援していく。
 定期借地権の一時金の一部(最大路線価額の4分の1以内)に対する支援も拡充。今後、需要の増加が見込まれる「看護小規模多機能型居宅介護事業所」をはじめ、▽都市型軽費老人ホーム▽養護老人ホーム▽介護職員などのための施設内保育施設―など定員29人以下の地域密着型施設などについても支援対象施設に追加する。特養と他の介護施設・事業所を合築・併設する場合、これらの敷地面積についても支援対象の面積に加える。
 さらに定員30人以上の広域型施設も含めた特養の開設準備に要する経費や、訪問看護ステーションの大規模化、サテライト型事業所の設置に必要な設備費用などについても支援するほか、特養のユニット化改修や、介護療養型医療施設などから老人保健施設などへの転換整備などについても助成する。
 
提供:建通新聞社