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2015/12/21

標準見積書、元請け提出指導18ポイント増

 国土交通省は元請け・専門工事業団体とつくる社会保険未加入対策推進協議会の18日の会合で、法定福利費を内訳明示した見積書(標準見積書)の活用に関する調査結果を報告した。それによると、標準見積書の提出を指導している元請けの割合は前年度調査から18・3ポイント、標準見積書を提出している下請けの割合は12・8ポイント上昇するなど対策に一定の成果がみられた。谷脇暁土地・建設産業局長=写真=は2017年度の目標達成に向け「建設産業がそれぞれの立場で、同じ問題意識を共有することが重要だ」と述べ、関係者に一層の取り組みを促した。
 国交省はことし11月、協議会に参加する建設業団体の所属企業を対象に標準見積書の活用状況に関する実態調査を実施。同様の調査は昨年の同じ時期にも行われており、調査結果からこの1年間の対策の成果をまとめた。
 具体的に見ると、下請けに標準見積書の提出を指導している元請けは40・6%(一部指導含む)で、前年度の調査から18・3ポイント増加。内訳明示はしないが、法定福利費を含めて見積書を提出するよう指導する元請けも34・4%(一部指導含む)いた。
 4月に改訂した「社会保険の加入に関する下請け指導ガイドライン」に盛り込まれた標準見積書の提出を見積条件とする元請けは一部実施を含め56・6%に上った。
 元請け・上位下請けに標準見積書を提出している下請けは、5割以上の現場で提出しているとの回答が12・8ポイント増の44・5%。「まったく提出していない」「取り組み自体がよく分からない」と回答した企業は合計5・9%と2・2ポイント減った。
 提出された標準見積書に対する元請けの対応としては、法定福利費が全額支払われたとの回答が11・1ポイント増の45・9%と最多だったが、法定福利費を支払う代わりに総額を減額する「減額調整」を行う元請けが36・7%と次いで多く、前回調査と2番目に多く前年度と比べても9・2ポイント増えた。

「法定福利費確保で申し合わせ」

 18日の会合では、関係者が法定福利費の確保に向けて取り組みを強化する趣旨の申し合わせも行われた。申し合わせでは、標準見積書の活用が浸透しつつあることを「一定の成果が現れている」としながらも、「都市部や2次下請け以下の企業はいまだ低い加入率にとどまっている」ことを問題視。国交省が対策の目標年次とする17年度まで1年余りとなった現在も「取り組みは『道半ば』であるという認識を共有する」とした上で、あらためて関係者一丸で社会保険加入を徹底することで合意した。

提供:建通新聞社