国土交通省は18日、国費ベースで総額4736億円の2015年度補正予算案を発表した。公共事業費には9月の関東・東北豪雨で被害を受けたインフラの復旧などを中心に国費3886億円(事業費ベース7229億円)を充当。発注の平準化を図る措置として、国庫債務負担行為(ゼロ国債)に事業費ベースで2960億円を設定するなど、早期発注を通じた施工時期の平準化に取り組む「i−Construction」を推進する。
15年度補正予算案は18日の臨時閣議で決定。16年1月4日召集の通常国会での成立を目指す。
国交省分では「災害復旧・防災減災事業への対応」に3611億円、「1億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策」に436億円、「総合的なTPP関連政策」に1億円などを配分している。
災害復旧・防災減災事業では、関東・東北豪雨をはじめ、15年度に発生した台風や豪雨などの大規模災害で被害を受けた公共土木施設の災害復旧に870億円を計上。自然災害リスクを踏まえたインフラの緊急防災対策で▽河川742億円▽道路710億円▽港湾130億円▽空港31億円▽鉄道21億円▽航路標識11億円―を配分する。
自治体が実施する水害・土砂災害対策や、災害時の道路交通を支える代替路の整備などを支援する防災・安全交付金は997億円。また、豪雨災害に備えた地籍整備の推進に29億円、実用性の高い点検用ロボットの現場導入に6900万円を計上している。
1億総活躍社会の実現を図る関連予算では、サービス付き高齢者向け住宅の補助制度を地域のサービス拠点となる併設施設などに拡充するため189億円を計上。この他、既存の公的賃貸住宅団地のバリアフリー改修・建て替えなどで98億円、三世代同居に対応した良質な木造住宅の整備で63億円を確保する
提供:建通新聞社