国土交通省と警察庁が設置した「安全で快適な自転車利用環境創出の促進に関する検討委員会」は、安全な自転車通行空間の早期確保などを求める提言案をまとめた。22日までパブリックコメントを行う。車道通行を基本とした暫定形態で早期に自転車通行空間を整備することに加え、路面表示の仕様を標準化し、外国人やドライバーに自転車通行ルールを分かりやすく伝える必要性も指摘している。
国内の自転車事故による死亡者数は、過去10年で交通事故件数が4割減少しているにも関わらず、横ばいの状況にある。国交省と警察庁は、2012年11月にガイドラインを作成、地方自治体に自転車ネットワーク計画を策定し、自転車通行空間を整備することを求めているが、4月1日時点で計画を策定した自治体は80市区町村にとどまる。
提言案では、現行のガイドラインで想定する地域全体の自転車ネットワーク計画に加え、基幹ルートを優先する段階的な計画策定を認めるよう提言。計画を策定して自転車通行空間の整備にまず着手する重要性を指摘した。
現行の道路幅員で自転車通行空間を確保することが困難なケースでは、車道通行を基本とした暫定形態の整備も認める。自転車通行ルールを分かりやすくするため、路面表示の仕様を自転車専用通行帯で帯状路面標示、車道混在型の通行帯で矢羽根型路面標示に統一することも求めた。
国交省・警視庁では、この提言を踏まえ、ガイドラインを見直すとともに、道路設計の基本となる道路構造令を改正することも検討する。
提供:建通新聞社