全国建設業協会 全国ブロック会議・地域懇談会
(4)東海ブロック
■工事量の平準化など訴える
第62回建設業協会東海4県ブロック会議が、静岡県静岡市で開かれ国土交通省などと意見を交わした。4協会は、公共事業費の安定的・継続的な確保、労働環境の改善のための工事量の平準化、担い手確保策などを強く訴えた。国土交通省側は、事業費確保について2016年度予算概算要求で対前年度1・16倍の要求を行い「今後も安定的・持続的な予算確保に努める」とし、平準化については「人材、資機材の有効活用、経営の安定化に極めて重要」との認識を示し、「早期執行に本格的に取り組み、地方自治体に対しても周知していく」と応じた。
開催県としてあいさつした静岡県建協の木内藤男会長は、建設投資の減少や受注競争の激化などにより、依然として厳しい状況にある中、「地域の建設業が、『若者が将来を託すことができる“魅力ある建設業”』として、将来にわたり健全で持続的な発展ができるよう、東海4県が連携して取り組んでいく」と意欲を示した。
会議では、まず静岡県建協の岡野良隆理事が、「地域の建設業が社会資本の整備・維持管理、防災・減災などの担い手として役割を果たすために経営の安定化が必要」とし、「中長期的なビジョンに基づく公共事業費の安定的・継続的な確保」を求めた。
続いて、各県から意見発表。三重県建協の森修常任理事は、若年者の入職促進、人材確保に向けた労働環境の改善について提案。工事量の平準化と工事の円滑な進捗に対する取り組み強化が、「従業員の処遇改善につながる」と主張。愛知県建協の小原睦副会長は、担い手確保の取り組みとして「大学の技術系学部の学生を増やすため、産・官に加えて“学”との連携強化」を要望した。岐阜県建協の松島祥久理事は、改正品確法に明記されている「建設業の適正な利潤確保」のため、公共事業発注者に対して、歩切りの根絶、中央公契連モデルの導入など強力な指導を求めた。
これに対して、国交省大臣官房技術調査課の岩崎福久建設システム管理企画室長は、労働環境改善では生産性向上と現場の安全性の観点から、情報化施工の有効性を説明。女性活躍のための環境整備では、トイレ・更衣室などが完備する試行工事を増やしていく方針を示した。
建設市場整備課の長福知宏労働資材対策室長は、工事量の平準化について「経営安定化のために極めて重要」との認識を示し、「早期執行のためのゼロ国債、2カ年国債などの活用、計画的な発注計画の策定などを推進していく」と答えた。また、平準化の取り組みが「地方公共団体にしっかりと浸透していくように徹底していく」との考えを示した。
なお、次回は三重県で開催することに決めた。