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2015/10/27

空き家48万戸が「活用可能」 国交省調査

 活用可能な空き家は全国に48万戸―。国土交通省が全国820万戸の空き家を対象に行った調査で、耐震性が確保され、腐朽・破損がなく、最寄駅から1`圏内にある空き家(戸建て、長屋、共同住宅)が全国に48万戸あることが分かった。同省は空き家の一部が良好なストックとして十分に機能する状態にあるとみて、利用者とのマッチングや空き家のリフォームを促進する支援策の拡充などを急ぐ構えだ。
 調査結果は、26日に開かれた社会資本整備審議会住宅宅地分科会に報告された。住宅・土地統計調査で示された空き家の総数820万戸(13年度時点)から、今後も活用の余地が高い賃貸用や売却用を除く320万戸を母数として耐震性や立地などを分析した。
 対象の空き家320万戸をストックの性能で分類すると、1981年の新耐震基準以降に建設された空き家は110万戸で、このうち省エネ・バリアフリー性能を満たすものも30万戸ある。新耐震基準以前に建設された空き家210万戸の中にも、実際には耐震性を満たすものが74万戸あった。
 新耐震基準を満たす合計184万戸のうち、基礎のコンクリートのひび割れや外壁の破損など、腐朽・破損しているものを除くと、簡易な改修工事などでで活用が可能な空き家は103万戸ある。さらに資産価値が高い最寄駅1`圏内にある空き家は48万戸に上るという。
 ストックとして十分な機能を持つこれらの空き家を有効に活用するため、
国交省は空き家と利用者のマッチングやリフォームによる用途変更を促進する必要があると考えている。住宅宅地分科会では、3月の閣議決定を目指して住生活基本計画(全国計画)の見直し作業を進めており、この計画の中に空き家活用に向けた具体策を盛り込む。

提供:建通新聞社